四季を映す鏡
山古志の棚田
ほとんど平地のない山古志では、水田を作るためには傾斜地を切り開かなくてはなりませんでした。そのための工夫が棚田です。棚田を新しく作るにはまず、棚田に適した場所を見つけなくてはなりません。山古志は昔から、地すべりが多い土地でした。地すべりは中越大震災で大きな被害をもたらしたように、大きな自然災害ですが、地すべりがおこると、山の傾斜がなだらかになり、耕作できる面積が広くなりました。また、変動によって土壌が混ざり合い、農作物の生育によい条件をもたらす利点もありました。
秋の農作業が一段落ついて、11月に入ると新田切りや小さい田の拡張工事が始まりました。新田切りとは斜面を切り崩して水田を拓くことで、明治から昭和にかけて盛んに行われました。